お酒買取ジャンル
焼酎は魔法の水!?暑気払いからダイエットまでサポートする焼酎
はじめに
“米の香の球磨焼酎を愛でし酌む”
熊本県出身の俳人、上村 占魚(うえむら せんぎょ)の俳句です。ご存知でしょうか? 焼酎は夏の季語。暑気払いの魔法の水だったのです。魔法の水? アラビアに起源をもつ焼酎はアラビア語でアクア・ヴィテ、命の水と呼ばれていました。当初は薬として珍重されていたと言いますから暑気払いに焼酎というのは正しいのかもしれませんね。ほかにも血液をサラサラにしたり、血栓を溶解するなど薬らしい側面があります。カロリーだって低いのですよ。
焼酎とは?
米焼酎に関しては、非常にざっくり言うと、日本酒を蒸留したものが焼酎です。正確にはもちろん違いますが、お米を発酵させて醪(もろみ)を作るところまでは同じです。それを濾せば日本酒に、蒸留すれば焼酎になるのです。醪を温めて気化させてから冷却するわけですが、アルコールは水よりも沸点が低いので、先に気体となるアルコールだけを取り出し、度数を高めることができるというわけです。そのほか、原料がさつまいもの「芋焼酎」、麦が原料の「麦焼酎」など色々な種類があります。
まず焼酎の甲類・乙類について
醪を蒸留することでアルコール度数は高められますが、同時に原料のお米や麦などから醸し出される風味や雑味も消えてしまうことに。でも、日本でもともと使われていた単式蒸留器は風味や雑味をある程度残すことができます。一回の蒸留で3倍程度のアルコール度数になるので、これを45度前後になるまで繰り返し、加水して調整すれば乙類焼酎ができます。風味や雑味を減らして、すっきりクリアな味に仕上げたければ連続式蒸留器を使えばよいのです。自動的に複数回蒸留するので、単式蒸留器よりは手間もかかりません。この方式で造られたものを甲類焼酎と呼びます。アルコール度数は甲類が36度未満、乙類が45度以下です。お気づきだと思いますが甲類、乙類というのは蒸留方式の違いであって決して焼酎の優劣ではありません。この誤解を避けるために乙類焼酎を本格焼酎とも呼ぶのです。
焼酎の種類について
焼酎の原料となるのはお米や麦。これを発酵させたものにお芋やそばなどを加えることで味や風味が変わるのです。
芋焼酎
お米を発酵させた、米麹にさつまいもを加えて造られます。全てさつまいもで造ることもありますが芋麹は扱いにくく、味にムラができたり、熟成に時間がかかったりするのです。甘みが強く香りも濃厚なのが特徴の芋焼酎は蒸したさつまいもを使っていますが、最近では焼き芋を使った、焼き芋焼酎も人気です。芋焼酎より香ばしく、甘みもさらに強くなっています。
麦焼酎
米麹に大麦を加えて造られるものと大麦麹を使用して大麦100%で造られるものがあります。くせがなく、スッキリとした味わい。いいちこ、二階堂なども大麦だけで造られる麦焼酎です。
米焼酎
米麹に精米したお米を加えて造られる、お米100%の焼酎です。日本酒の酒蔵が閑散期に焼酎を手掛けることが多く、日本酒と同銘柄の焼酎が増えています。吟醸酒のような香りや味わいが特徴です。
黒糖焼酎
米麹に黒糖を加えて造られた焼酎です。蒸留酒である焼酎には本来、砂糖を使用することはしません。砂糖を加えてしまうと蒸留酒ではなく、混成酒、リキュールとして扱われるのですが、奄美大島でのみ、黒糖を使って焼酎を造ることが許されています。琉球王国に属していた時代から黒糖焼酎が造られていたためで、沖縄とともにアメリカから返還された際に配慮されました。混成酒になってしまうと税率が変わってしまうからです。必ず麹を使用して仕込むことを条件に大島税務署管内でだけ造られる黒糖焼酎は黒糖ならではの優しい香りと甘みが特徴です。
そば焼酎
米麹や麦麹にそばを加えて造られますが、そば麹を用いたものもあります。そばの実は種皮が硬い上に、蒸すと表面の粘度が高くなり麹菌を付着させることが難しく、菌糸が生育しづらい環境にあるのですが、技術の進歩によりそば麹が誕生。独特の香りとふくよかな甘みが楽しめます。
栗焼酎
米麹、麦麹に栗を加えて造られます。ホクホクした甘みが人気の焼酎です。
泡盛
黒麹だけで造られた、沖縄伝統の焼酎です。焼酎に使われる麹は3種類。白麹、黄麹、黒麹です。胞子の色で変わってくるのですが、もともと日本では黄麹が主流で使われていました。日本酒造りで主に使われているのも黄麹です。甘栗のような味が特徴の黄麹ですが、腐敗しやすいので醪を損ないかねません。その点、黒麹はお酒の製造過程でクエン酸を生成するので雑菌の繁殖を防げるのです。コクと深みがある、パンチの利いた味わいになります。黒麹菌が変異して生まれたのが白麹。黒麹同様、クエン酸を生成するのでレモンのような酸味を持ちますが、黒麹よりはマイルドです。多くの焼酎に使われている白麹を日本酒に用いたのが上善如水。くせのない、すっきりした味わいのお酒ですよね!? これに比べると、黒麹を用いた泡盛がなぜ、ガツンとくるパワフルな味わいなのかがお分かりいただけるでしょう。
ジャガイモ焼酎
米麹や麦麹にジャガイモを加えて造られます。ジャガイモ特有のさわやかな風味とすっきりした味わいが特徴です。
焼酎の飲み方
一口に焼酎と言っても実に様々な特徴を持った、それぞれ個性豊かなお酒が数多くあります。焼酎自体がバラエティー豊かなのですから飲み方にもバリエーションが多そうですね。
ロック
ロックやストレートは焼酎本来の香りや風味を楽しむのに最適です。焼酎が暑気払いの薬だったことを考えればロックが最もふさわしい飲み方かもしれません。ミネラル・ウオーターで作った、カルキ臭のない、透明度の高い氷でお楽しみください。
水割り
ロックで飲んでいても時間の経過とともに氷が解け、水割り状態になりますが、初めから水割りにするのもよいですね。ロックで飲むときと違い、お水で割っていますので氷が解けてそれ以上薄まらないよう、氷は入れずにお水をあらかじめ冷やしておくのがよいでしょう。水割りに使用するお水は軟水のミネラル・ウオーターがです。焼酎を仕込むときにも軟水を使うので割水も軟水の方がなじむのです。比重の小さい焼酎を先にグラスに注ぎ、後からお水を注ぎましょう。焼酎とお水が自然に混ざり合うのでまろやかに仕上がります。この状態で寝かせて飲むという人もいます。グラスではなく甕に保存して常備して置く地方もあるのです。焼酎とお水の割合はお好みですが、焼酎6に対してお水4が黄金比とされています。
お湯割り
水割りのときは焼酎を先に注ぎましたが、お湯割りの場合は逆になります。お水は温めると比重が小さくなるので焼酎の方が重くなってしまうのです。水割りよりも香りが立つので華やかな風味が楽しめます。お好みですが70度前後の温度で飲むのがよいでしょう。
ストレート
その名のとおりストレートに、ダイレクトに焼酎を味わうことができます。常温でそのままというスタンダードな飲み方もよいですが、冷蔵庫で冷やしてとろみが出たところでショット・グラスに注ぎ、グイッといくのも粋ですね。
炭酸割り
いわゆるハイボールです。炭酸水は焼酎より比重が小さいので、焼酎を先にグラスに注ぎましょう。レモンやライムなどの柑橘類をプラスするのもオススメです。
焼酎のカロリー
お酒は得てしてカロリーが高めな印象がありますが、焼酎のカロリーは意外と低めです。350mlの缶ビール1本分のカロリーが140kcalなのに対して焼酎の場合は甲類で100kcal弱、乙類では56~57kcalほどです。
芋・麦・米でカロリーは違う?
原料の違いはカロリーの違いとして現れそうに思えますが、ほとんど違いはありません。なぜなら蒸留時にアルコールだけを取り出すので、原料には左右されないのです。
焼酎の割り方でカロリーは違う?
水割りやお湯割りにすると焼酎自体は薄まるのでカロリーも低くなったように感じますが、焼酎自体のカロリーが変質することはありません。コーヒーと同じです。ミルクを入れるとマイルドになった気がしますが、カフェインの量は変わりませんね。もちろん、炭酸水などで割ればその分、カロリーは上乗せされてしまいます。
他のお酒とカロリー比較してみる
ビールと比べると焼酎の方がカロリーが低いと前述しましたが、ほかのお酒でも見てみましょう。先ほどと同じ、350mlの缶ビールに相当するアルコール量を基準に考えると、ワインもカロリーは意外と低いのです。赤ワイン、白ワインともに85~86kcal程度。でも、ワインはそのまま、ストレートで飲むのが普通ですが、焼酎は割って飲むことのほうが多いはず。その場合、自然と飲む量は減りますよね!? もちろん、ストレートで、同じ量を飲むのならワインの方に軍配が上がりますが……。ちなみに日本酒は120kcal前後なので焼酎の方が低カロリーです。
焼酎の糖質
焼酎は糖質を含まないと言われますが、どういうことでしょうか。糖質というのは炭水化物のことですから、お米やお芋を使う焼酎には糖質が含まれていてもよいはず。ところが焼酎はその製造過程で蒸留、アルコールだけを取り出すので、糖質を含まないのです。芋焼酎だろうと、麦焼酎だろうとカロリーが変わらないと前述しましたね!?
焼酎で期待出来る「体への効果」
焼酎は蒸留することで、糖質もプリン体もなくなります。糖質制限をされている糖尿病患者にも許されることがあるとか。それだけでなく、思わぬ効能もあるのです。冒頭にも触れましたが善玉コレステロールを増やすので、血液がサラサラになるといわれています。さらに出来てしまった血栓を溶かす効果も。脳梗塞の治療薬である、組織性プラスミノーゲン活性因子(t-PA)を増やす効果もあるようです。t-PAはもともと血液中に存在する物質ですが、焼酎を飲むとなぜか量が倍増するそうです。まだ研究段階ですが、泡盛をよく飲む沖縄にご長寿の人が多いのも頷けますね。
【結論】焼酎はダイエットにオススメ?
様々な効能のある焼酎ですが、さすがにダイエット効果はありません。それでも、ほかのお酒を飲むよりは焼酎にする方がよいでしょう。香りをかぐだけでもt-PA増加には効果があるようですし、癒し効果やアンチ・エイジング効果もあるのです。
ダイエット中には焼酎乙類
カロリーが低いのは乙類焼酎です。アルコール度数が高い方がより、カロリーが高くなるからです。でも、甲類は35度未満、乙類は45度以下でしたよね!? 単式蒸留で造る乙類は手間がかかることもあって、アルコール度数は甲類よりも低めであることが多いのですが、規定から言えば上回ることもあり得るわけです。単純に乙類を選べばよいというわけではないので注意が必要です。アルコール度数をしっかり確認して選びましょう。
ダイエット中にオススメな焼酎の割り方
せっかくカロリー低めの焼酎を選んでも、炭酸水や甘いジュースなどで割ってしまっては台無しです。お水やお湯、お茶などで割って飲みましょう。
カロリーに気をつけた「おつまみ選び」
割り方にこだわったらおつまみ選びにも気を遣いたいもの。高カロリーなおつまみを摂ってしまっては何にもなりませんね。
枝豆
元を正せば、畑のお肉と言われる大豆ですから、良質なたんぱく質が豊富です。良質なたんぱく質はアルコール分解を助けるのでよいセレクトと言えますが、飲食店で出されるものは意外と塩分が高いので気を付けましょう。
タコの刺身
お刺身の中でも群を抜いてカロリーが低いのがタコ。タウリンが豊富なので疲労回復にも効果があります。糖質や脂質の代謝に有効な成分、ビタミンB2も摂れます。
さつま揚げ
さつま揚げは練り物としては比較的低カロリーですが、煮物などにした場合は知らないうちに複数枚、口にしていることがあるので気を付けたいですね。野菜といっしょにおみそ汁の具として活用するのがオススメです。
豆腐
原料が大豆ですから高たんぱく、低脂肪の優秀な食品です。女性ホルモンをサポートする成分、イソフラボンが豊富なので、美肌効果もあります。前立腺がんや動脈硬化などの予防にも効果があるので男性にもうれしいですね。
ピクルス
常備菜として人気のピクルスですが、漬け込む液によっては意外とカロリーも高めです。ほんのり甘いスイート・テイストのタイプと酸っぱ~いサワー・タイプではカロリーに10倍近い差があります。お酢の効果で食欲が増進されるのも懸念材料の1つ。また、お酢には血管収縮作用もあり、摂りすぎると体調不良を引き起こすこともあるのです。
さいごに
紀元前3000年。メソポタミアで生まれた蒸留技術がアラビアの地で花開き、蒸留酒が誕生しました。薬として長年、人々を救ってきた蒸留酒はいつしか嗜好品になりましたが、薬だった歴史に恥じないような飲み方をしたいものですね。
- 「お酒買取.com」にお問い合わせください
- ワイン買取・シャンパン買取・ドンペリ買取・ヘネシー買取・ウイスキー買取・ブランデー買取
- ワイン買取・シャンパン買取・ドンペリ買取・ヘネシー買取・ウイスキー買取・ブランデー買取