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火入れは日本の優れた伝統技術

“北米で販売されている日本酒には大量の防腐剤が入っている”2013年にエコノミックニュースが報じて話題になりました。TPP問題とも相まって日本酒業界は大騒ぎになったものです。業界の指摘を受けて記事は削除されましたが、実にひどい言いがかりです。日本酒にはもちろん、防腐剤なんて入っていないのですから。

火入れとは?

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“日本酒は生き物”と言われるように、その年のお米の出来や天候、気候などによっても日本酒の味は変化します。保存方法もまたしかりです。お米とお水、麹を発酵させて作られる日本酒にはお酒を生成した後もなお、酵母が息づいています。酵母のおかげで誕生したお酒ですが、いつまでも酵母を残したままというわけにはいきません。発酵が進みすぎるとお酒自体の香りも悪くなりますし、味も酸っぱくなってきます。

発酵が進みすぎたときの香りを老ね香(ひねか)と言いますが、読んで字のごとく老いた香り、味になってしまうのです。年代物のワインが飲みにくいのと似ているかもしれませんね。そんなワインも実は殺菌処理をしています。ビールもそう。殺菌処理を経て出荷となって、なおも温度などの徹底した品質管理が必要なので、出荷前の殺菌処理がいかに大切かうかがえます。まずは出荷前の殺菌処理でお酒の品質を安定させなくてはいけません。この殺菌処理のことを火入れと呼んでいます。

火入れの方法

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火入れの方法として一般的なのはプレート・ヒーターという専用の機械を使ったもの。プレートの内部にはタンクへと続く配管が通っています。タンクではお湯を沸かすようになっていて、プレートから伸びてきた配管がタンクの内部に渡されています。出来上がったお酒はこの配管に通され、タンクのお湯で間接的に温められるのです。ちょうど湯煎するようなイメージですね。

お湯の温度は60度から65度。それより低いと殺菌が不十分になりますし、高いとお酒にダメージが出てしまいます。タンク内部から出た配管は再びプレートに向かって渡されています。温められたお酒は再びプレートに戻り、今度は冷却されるのです。つまり、プレートには温められる前の冷たいお酒と温められた後のお酒が通る配管が2本、通っているのです。この2本を絡み合うよう交差して配置することで、温められたお酒を冷たいお酒で冷却できるというわけです。タンクを使わず3連のプレートを使うものもあります。こちらは中央のプレートにお酒をスタンバイさせます。機械が稼働を始めると、お酒が加熱用のプレート、冷却用のプレートを移動する方式になっています。

2度目の火入れ 火入れを終えて殺菌処理が施されたお酒ですが、実はまだ完全ではありません。通常の日本酒はもう1度火入れをするのです。瓶詰めするタイミングで再び火入れをすることで、お酒の品質をよりよく保てるというわけです。2度目の火入れはプレート・ヒーターで温めてから瓶詰めする、熱酒詰め(ねっしゅづめ)と瓶詰めしてから瓶ごと温める、瓶火入れがあります。プレート・ヒーターによる火入れであれば、お酒を一気に温められますが、デリケートなお酒の風味を考慮して2度目の火入れは瓶火入れにするという酒蔵も多いのです。

瓶詰めしたお酒を60度から65度になるように温めるには瓶を大きな容器に入れて湯煎するのですが、芯まで温めなくてはいけませんから、いきなり熱いお湯で湯煎するのではなく、水の状態から徐々に熱くしていかなければならないのです。瓶の中にあるお酒の温度を確認しながらお湯を沸かしていき、お湯を水に換えて冷却するときも瓶が割れたりしないように段階的に、少しずつ、温度を下げていかなくてはなりません。非常に手間はかかりますが、お酒の風味を保つにはよい方法と言えるでしょう。

火入れの目的

火入れは出来上がったお酒の中で、なおも息づく酵母をそのまま残してはおけないので行うと言いましたが、このとき出来上がったお酒には酵母だけでなく、乳酸菌の1種である火落ち菌も存在しているのです。実はお酒が酸っぱくなったり、老ね香を放つようになる原因はこの火落ち菌の仕業によるものが大きいのです。

火落ち菌はすごい菌

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お酒に悪さを仕掛ける火落ち菌ですが、実はすごい菌なのです。火落ち菌を作っている物質(生育因子)を火落ち酸と言いますが、この火落ち酸からはコレステロールやステロイドなどを作ることができるのです。コレステロールもステロイドも悪者のイメージが強いですが、実は必須細胞成分です。

コレステロールからは体内で作ることのできないビタミンを作ることができますし、ステロイドも自然治癒を助ける物質です。この火落ち酸を発見、取り出すことに成功したのが東京大学の故・田村 學造教授です。わずかに遅れてアメリカでも火落ち酸が発見されました。ただ、火落ち酸ではなくメバロン酸と言います。その後、世界的にはメバロン酸の名がより知れ渡り、メバロン酸を活用した理論や新技術が開発されていくのです。

この分野でノーベル賞も出ていますが、基礎となった火落ち酸をいち早く発見した田村教授ではないというのがはがゆいですね。そもそも日本では、お酒の加熱殺菌自体がなんと室町時代には行われていたのです。ただこれも、500年ほども後に出てくる、フランスの細菌学者パスツールの低温殺菌法がより有名ですが。

他に先駆けて同じものを発見しながら日の目を見ない日本の技術ですが、日本酒の品質を安定させることにかけては十分、信頼できるでしょう。こうした殺菌を施した上に冷蔵コンテナを用いて丁寧に輸送される日本酒ですから、大量の防腐剤を入れるなどあり得ません。日本酒はおおいに誇れる我が国の文化なのです。

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