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日本酒の【甘口・辛口】を徹底解説!意外な飲み方を発見!
最近は情報も簡単に手に入り、流通も発達しているので、色々なお酒を目にする、口にする機会も多いのではないでしょうか。
しかし、私たちが住んでいる日本で出来たお酒「日本酒」。意外と知らないことも多いかもしれません。今回は「日本酒」について深堀していこうと思います。
【日本酒の甘口・辛口】の歴史
日本酒の原点は日本神話で有名な、スサノオノミコト伝説のヤマタノオロチの話に登場します。
ヤマタノオロチが飲み酔いつぶれた「八塩折り之酒」は日本書紀にその製造方法が書かれていますが、
きわめて日本酒に近い製造方法だと言われています。
その後も風土記などで諸国での酒にまつわる記事が発見されており、730年(天平2年)に作られた諸国「正税帳」には「辛酒(からざけ)」の記述があることから、
このころから日本酒の甘い・辛いの区別があったようです。
江戸時代になると日本酒の保存を高めるための火入れ法や歩留まりを良くし、香味を整えて火落ちの酸敗を低くするための柱焼酎の混和方法など、
ヨーロッパ諸国でも発見されていない技術が開発、酒造りに必要な水の水質の重要性も知られるようになりました。
その後もさまざまな手法で作られた日本酒は季節や行事によってその甘さや辛さを使い分け、現代へと受け継がれてきたのです。
日本酒の作り方について
日本独自の製法で作られる日本酒ですが、お米を発酵させて作るということは知っていても、具体的にどのような手順で作るのか知らない人が多いのではないでしょうか。
ここでは日本酒の製造工程について解説しましょう。
1.精米
お米といっても何でもよいというわけではありません。
「酒造好適米」という日本酒醸造専門のお米を使います。玄米の状態だとお米にタンパク質や脂肪など日本酒の味や香りに悪影響のある物質がついているため、精米を行います。
素材となるお米ですが、普通に食べても美味しいものではないので、このお米を専門に作る農家さんと契約する酒蔵が増えてきています。
精米の工程では玄米の外側を約5~50%削るのですが、この割合によって普通・本造・吟醸といった分類に分けられます。
2.洗米、浸漬
精米したお米を洗い表面についているごみや糠を綺麗に取り、お米に水を吸わせる浸漬を行います。
浸漬を行うことにより、お米の蒸しあがりの時に外が固く、中が柔らかい状態になり麹菌が入りやすくなります。
浸漬の時間は日本酒の種類により変わりますが、種類によっては日本酒作りの責任者である杜氏が秒単位で作業を進めることもあります。
3.米蒸し
浸漬の終わったお米を蒸し器で一時間程度蒸します。
蒸し終わると、土間にひかれたむしろにお米を広げ、かき混ぜながら冷ます放冷を行います。
4.麹つくり
湿度が高めで室温30度に設定された麹室で麹を作ります。
蒸した米に麹菌を付け、麹菌が繁殖しやすいよう、布等に包んで一昼夜そのまま寝かせます。
麹蓋と呼ばれる専用の容器に寝かせ終わった蒸し米を入れ、麹室に積み上げます。
麹菌の繁殖状況によって室温が変わるため、麹蓋を入れ替える・蒸し米を手でほぐす・換気や熱風をあてたりと寝ないで世話をすることになります。
ただ最近では専用の機械を使って管理している所も多いようです。
5.酒母づくり
酒母づくりとは純粋な酵母を大量に繁殖させることを目的としています。
仕込み水に米麹・酵母・蒸し米を加え、酵母が繁殖しやすいよう徹底した温度管理を行います。
6.醪(もろみ)づくり
この工程から仕込みに入ります。
出来上がった酒母を専用のタンクに移し、米麹・蒸し米・水を加えるのですが、この時の蒸し米と麹の割合は4:1。
また最初に全て加えるのではなく、雑菌の繁殖や汚染を防ぎ発酵をスムーズに行うため「初添え」「中添え」「留添え」と3回に分けて加えます。
初添えの翌日は一日仕込みを休みますが、これは酵母の繁殖を促進するためです。
厳重な温度管理のもと、20日程度放置することで蒸し米が分解され酵母によってアルコールが作られます。
7.絞りから貯蔵まで
醪が出来上がると酒袋に入れ絞り、酒と酒粕に分かれます。
絞ったばかりの酒は酵母や米粒が混ざり、濁っているのでろ過して不純物を取り除きます。
次に殺菌のため火入れを行い、火落ち菌によって腐ることを防ぎます。
火入れをしないものは「生酒」と言われ酒本来の味を楽しむことが出来ますが、冷蔵保存しなければなりません。
火入れを終えた酒は半年ほど貯蔵タンクで寝かせて完成します。
日本酒の【甘口・辛口】ってなに?
甘い、辛いというとお菓子や料理などの味を思い浮かべそうですが、日本酒の甘い・辛いは独特の表現です。
基本的にお酒の比重をさした例えのようなものです。
アルコールが水分に含まれる量の違いにより甘口・辛口と分けています。
【補足】普段感じる【甘口・辛口】とは違う?
日本酒の甘い辛いはお菓子や料理などの甘い・辛いとは全く異なります。
日本酒にも糖分は含まれていますが、砂糖のように甘い味はなく、ちょっとしたスパイス的なものなので、実際に砂糖のような甘さを感じることはありません。
辛さも同様で日本酒で辛いと言うのはアルコール度数が高いということなので、スパイスなどのような辛さを感じることはありません。
【甘口・辛口】の分ける要因
日本酒の甘い・辛いの分け方ですが、これには2つの要因があります。
日本酒度と酸度です。この2つの含有量のバランスから甘辛度を出し、日本酒の甘口・辛口を仕分けしているのです。
では、具体的に日本酒度と酸度がどのようなものなのかお話しましょう。
「日本酒度」について
日本酒のラベルに書いてある日本酒度、一体何のことを言っているのかわからないと言う方も多いのではないでしょうか。
日本酒度を簡単に言うと、水と比較したときの日本酒の比重を表すための単位で殆どの場合、甘辛度を知る目安になる数値です。
マイナスの数値が大きいものほど糖分が多く含まれていることになります。
日本酒度の計測方法ですが、専用の日本酒度計というものを使って測定します。
計測対象のお酒を15℃にして、日本酒度計の水面部分の数値を読むだけで、測定完了です。
日本酒度計内には純粋な水が4℃で入っており、この水と同じ重さなら0を指すように作られています。そのため水より重い場合はマイナス、軽い場合はプラスになります。
ただし、この日本酒度はあくまでも目安的なものです。
酸度や糖度によって口当たりが変わるため、この日本酒度が100%甘口や辛口を指しているわけではありません。
「酸度」について
日本酒の酸度ですが、これは日本酒の味わいに影響するものです。こちらも日本酒度と同じくラベルに記載のある商品もあります。
日本酒の酸度ですが、日本酒の製造工程において原材料から発生したクエン酸、リンゴ酸、乳酸といった酸の含有量を示しており、日本酒10mlあたりに含まれる酸を中和する水酸化ナトリウム溶液の量を表したものです。
平均的な数値は0.5~3.0となっています。
酸度と言うと酸っぱいというイメージがありますが、日本酒における酸は「味を引き締める」といった役割があり、レモンのような酸っぱさはありません。
酸度が高いほど味にキレがあり、メリハリがつくのですが、酸度が低いとぼやけた味になり飲みごたえがなくなってしまいます。
酸度が高ければ芳醇・濃厚で辛口になり、低ければ淡麗と言われ甘いと感じる場合が多いようです。
「日本酒度」と「甘辛度」を組み合わせ(甘辛度)
日本酒の甘口・辛口は「甘辛度」の数値によって分けられます。この甘辛度とは日本酒度と酸度から計算して算出されます。
計算されて出た数値が高ければ高いほど辛口になり、逆に低くなるにつれ甘口となります。
【失敗しない日本酒選び】について
「甘口だと思ったのに、飲んでいたら違う!」と日本酒を買った後に後悔しないために、日本酒の選び方についてお教えしましょう。
原材料(酒米)で選ぶ
日本酒の原材料となるお米は日本酒専用に作られた酒米を使用しています。
実はこの酒米にもいくつか種類があり、種類によって味わいが変わるのです。
・山田錦:「酒米の王様」とも言われているお米で香味がよく、キメの細かいまろやかさがあります。
●美山錦:お米の味がしっかりしていて比較的辛さのない味わい
●五百万石:切れ味がよく、淡麗
●雄町:濃醇・しっかりとした味わい
このようにお米によっても味が変わるので、日本酒を購入する際は酒米もチェックしてみましょう。
精米歩合で選ぶ
日本酒のラベルには「精米歩合」という表記があります。
これは材料となるお米の玄米の糠をどれだけ削っているかということを示しています。
お米の中心に近づくにつれ香りが高くなります。
「精米歩合60%」なら玄米の表面を40%削り取ったお米を使っているのです。精米歩合の数値が小さいほど香りのよい日本酒になります。
製造年月で選ぶ
日本酒はワインと同様に賞味期限がなく、年月が経つにつれ味わいが変わります。
保管する環境が大きく左右しますが、一番おいしい飲み頃は製造年月日から1年ほど。
時間が経つにつれその味にまろみが出てくるため、あえて長期保存して熟成させる通の人もいます。
【甘口・辛口】がある酒造をご紹介
日本全国にさまざまな酒造がありますが、その中でも甘口・辛口両方揃った日本酒を作っている酒造をご紹介します。
亀の井酒造
亀の井酒造は山形県東田川郡にあり、創業1875年(明治8年)の酒造です。
「おいしいお酒を飲んでもらいたい」という消費者優先の考え方で、瓶燗 火入れをするなど手間を惜しまない酒造りをしています。
全商品が平均精米補剛50%以下と、こだわりのある酒蔵です。
辛口のおすすめは「超辛口吟醸ばくれん」でしょう。その数値は+20と超辛口を追求した商品で、切れが良く滑らかな味わいの日本酒です。
価格は1.8L、1本2,000円程度です。
甘口なら「くどき上手 純米大吟醸 Jr.初しぼり」がおすすめ。
こちらの商品は亀の井酒造の専務である今井俊典氏が、醸造責任者になり醸されたお酒です。
甘口で飲みやすく、新酒独特のフレッシュさのある香りと上品な味わいを楽しむことが出来ます。
価格は1.8L、1本3千7百円程度です。
ハクレイ酒造
ハクレイ酒造は京都にあり、1832年創業と江戸時代から続いている酒造です。
創業時に使用していた酒蔵「天保蔵」は今でも貯蔵蔵として利用されています。
ただ儲けるというだけでなく、その売上げで地域への奉仕や貢献を行い「地域に必要とされる酒蔵」を目指しているそうです。
ハクレイ酒造のおすすめの日本酒は契約農家で獲れた京都丹後山錦というお米をだけを使用した「香田」でしょう。
特別栽培米の山田錦にこだわり、肥料には有機質肥料を使用しています。
日本酒作りの段階では精米法なども独自の工夫を凝らし、全国新酒評会では通算で5回、金賞を受賞しています。
お米の味を最大限に引き出し、まろやかさとさわやかさのバランスが良く香り高い日本酒です。
辛口の純米大吟醸「香田35磨き」の価格は500ml、1本3,000円程度、1.8Lが1本10,000円程度となっています。
甘口なら純米酒の「純米京女」がおすすめ。
こちらは甘さと酸味のバランスが良く、クリーミーな口当たりで女性でも飲みやすい淡麗甘口となっています。
価格は720mlが1本1,300円程度、1.8Lが1本2,600円程度となっています。
ワインやビールの【甘口・辛口】について
日本酒以外でも甘口・辛口のあるお酒があります。ワインとビールです。
ワインの甘口・辛口の基準はワインの中に残っている糖分の量で決まります。
甘口ははっきりと原材料のフルーツの甘さを感じることのできるものもあり、辛口は甘味が少なくすっきりとした感じの味わいです。
日本では甘口のビールを見かけることがありませんが、海外では甘口のビールが存在しています。
フルーティさのあるビールが甘口とされているようです。
逆に辛口は口に含んだ時の炭酸やアルコールの刺激の強いものほど辛いとされています。
ワインもビールも日本酒のように数値で分けているのではなく、口当たりや実際の味で甘口・辛口を分けているのです。
さいごに
全国各地で作られている日本酒ですが、女性向けにスパークリング日本酒まで開発されています。
どうしても日本酒が苦手と言う方は女性向けに口当たりがよく飲みやすいスパークリングタイプのものを試してみるのも良いかもしれません。
酒造や地域によって味や香りの違いもありますので、飲み比べてお気に入りの銘柄を見つけてみてはいかがでしょう?
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