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リーズナブルな価格で楽しめるブランデー 「クリエール」
ブランデーというと高級な洋酒というイメージがあるかもしれません。特に、コニャックやアルマニャックといったフランスのブランデーは、お値段もかなり高額なものが多く、なかなか手が出ないかもしれません。そんなフレンチブランデーの中で、クリエールのお値段はかなりリーズナブルといえます。クリエールとはどのようなブランドなのか、なぜこの価格が可能なのか、品質はどうなのか、ご紹介します。
クリエールは使者という意味
クリエールは、フランス語で密使、使者といった意味です。現在では郵便、郵便配達を意味する単語として使われています。最近では、フランス政府がEメールをcourrier(クリエール)と呼ぶことにしようと呼びかけたことがあります。
クリエールは、まだ郵便システムがなかったころ、宮廷からの大事な知らせを伝える特使、外交文書や機密書類を運ぶ密使などを指す言葉として使われていました。クリエールは、大事なものをもってくる使者。ブランデーのクリエールも、楽しい気持ちや幸せな雰囲気をもたらす使者という意味がこめられた名前なのかもしれません。
クリエールのブランデーのラベルには、疾走する馬と乗り手が書かれています。これは、大事な知らせを伝えるために疾走する使者を表しているのでしょうか。
クリエールの代表的な存在:「クリエールナポレオン」
クリエールブランドの中で最も代表的な商品が、クリエールナポレオン(コンパニー・ド・ギュイエンヌ社)です。度数は40度。このお酒のラベルには、VSOPとも記載されています。ナポレオン、VSOPというのは商品名やブランド名ではなく、熟成年数によって決められている等級を指します。どのブランデーにも適用されるわけではなく、コニャックとアルマニャックに使われているランクです。
コニャックもアルマニャックも、フランスのブドウ栽培が盛んな地方です。昔からワインやブランデー製造がおこなわれ、その地域で栽培されたブドウを使って、その地域で規定に従って生産されたものだけがコニャック、アルマニャックと名乗ることができます。クリエールは、コニャック地方でブランデー製造を行っています。
醸造年数を指す単位として、フランスではコントを使います。蒸留が行われた年がコント00、樽に移されて熟成が始まった1年目がコント0で、樽熟成の2年目はコント1…….という風に計算されます。VSOPは、コント4で樽熟成5年目よりも古いものを使ったコニャックにつけられます。ナポレオンは、コント6で樽熟成7年目よりも古いものを使っているコニャックです。
「クリエールXO」はエッフェル塔に入っている?!
クリエールには、エッフェル塔の形をした瓶に入ったCOURRIERE X.O EIFFEL TOWERという商品もあります。XOは、2017年まではナポレオンと同じくコント6で樽熟成が7年目のものを指していました。規定が変更され、2018年4月1日以降は、XOはコント10樽熟成が11年目より古いものしか名乗れなくなります。
リキュールに分類される「ミスクリエール」
クリエールには、ミスクリエールというリキュールもあります。アルコール度数30度、スイートアンドマイルドという表示があるように、リキュールらしい甘みがあります。ブランデーベースで、フルーティーさと樽からの木の香りが絡み合った濃密な香りが感じられるリキュールです。
クリエールの製造者コンパニー・ド・ギュイエンヌ社
クリエールを製造しているのはコンパニー・ド・ギュイエンヌ社です。フランスのコニャック市で1978年にミシェル・コステ氏が創業した会社です。コニャック地方の中小企業を積極的に買収している大手の酒類業者です。蒸留所を持つ老舗のブリュジュロール社、レオー社、リシャール社、レオパルドがデザインされた瓶が特徴的なブランデーを製造しているミュコー社などを傘下にもっています。
コンパニー・ド・ギュイエンヌ社はネゴシアン
ワインやブランデーなどの製造業者は2種類に分けられます。ブドウの栽培、原料となる果物を発酵させたり、蒸留したり、熟成させたり、瓶詰めして出荷して……と製造工程には様々な段階があります。この製造工程のすべてを行う生産者に対して、生産者が作った原酒を仕入れてブレンドし独自のブランドで出荷する販売者がネゴシアンです。
ネゴシアンが製造するからリーズナブルなお値段
コンパニ―・ド・ギュイエンヌ社は、高品質で人気のミュコーを始め、いくつもの生産者をコニャック地方に抱えています。クリエールブランドのブランデーには、コニャックの古い原酒が20%以上ブレンドされています。ブレンドに使われている原酒を傘下の企業から仕入れることができ、やはり傘下にあるブリュジュロール社の蒸留所を使って製造することができるので、クリエールのブランデーは、ナポレオンやXOといった高ランクの品質を誇るにもかかわらず、リーズナブルな価格で手に入れられるのです。
ブランデーのクリエールまとめ
クリエールのブランデーは、ネゴシアンであるコンパニ―・ド・ギュイエンヌ社が製造しています。コニャック市にあり、傘下に複数の生産者を抱えるコンパニ―・ド・ギュイエンヌ社がグループ企業の力を結集して作っているので、クリエールは品質の割にお求めやすい価格でコスパが高いブランデーとなっています。
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